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20代男性の患者さんに眼瞼下垂の手術を行いました。3ヶ月後までの経過をご覧頂きます。
術前

術前の写真です。
目の開きの悪さを主訴に後来院されました。
また、眉毛を上げないと眼が開かない事で外観上の問題だけでなく、額や頭部の疲労感、頭痛などにもお悩みでした。
写真のように、眉を上げても瞳孔に上まぶたがかかってしまい視界が制限されてしまう状態でした。
まぶたを引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)の機能自体も低下していて、眼瞼下垂の手術として一般的な挙筋腱膜前転法か、眼瞼挙筋の力を必要としない『吊り上げ法』(まぶたを額の筋肉に直接繋ぐ方法)か悩みましたが、ご本人の眉を挙上せずに目を開きたいという希望が強く、吊り上げ法はしたくないというご希望でしたので、挙筋腱膜前転法で可能な限りまぶたの開きを良くするという方向に決まりました。
術後
眼瞼挙筋の動きが十分でなかった為、挙筋腱膜の固定位置を極めるのに苦労しましたが、目の開きは写真のようにかなり良くなりました。
この時点で眉の位置も術前に比べて大きく下がっています。

術後

術後7日、抜糸直後の写真です。この時期で、特にこの患者さんのように開きを大きく改善させた場合ですと、写真のように目尻側の二重の線が二またになることが有ります。
術後
二重の線はデザイン通りに成りました。術後一週間後は開き過ぎでしたが、丁度良い開きになりました。
眉の位置が下がった事、頭痛が無くなった事をとても喜んでいらっしゃいました。

兎眼の経過

さて、これはかなり物議を醸してしまう写真かなと思います。上から手術直後、術後7日、術後3ヶ月のお写真ですが、脱力下状態ではまぶたは閉じ切っていません。この状態でもドライアイの訴えなどは無かったので特に再手術などは行いませんでした。
術前/術中に挙筋能が不十分な状態で挙筋前転で改善を得ようとすると、術後の兎眼が出現することや、それによりドライアイが生じる事、場合によってはある程度戻す手術が必要になる可能性があることなどは勿論説明しました。
術後7日と術後3ヶ月のまぶたを開いている写真を比べると開き過ぎの状態はかなり改善していますが、まぶたを閉じている状態では殆ど変化は有りません。
これは、術後の開き過ぎの改善が神経性の調節によるものだということを示唆していると考えています。
手術はリスクを伴います。この手術の場合、術後の腫れや内出血は必ず生じます。また、まれに左右差、傷の離解、感染が生じる事もあります。


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